SECURITY

PHPの重大な脆弱性
「php2shell」をわかりやすく解説

2026年10月、ホームページの多くで使われている「PHP」に、外から乗っ取られるおそれのある重大な弱点が見つかりました。WordPress などでホームページを運営している方が確認すべきことを、できるだけ専門用語を使わずにまとめました。

公開日:2026年10月27日 / 2026年10月27日時点の情報です。最新の情報は、ご利用のレンタルサーバー会社や PHP の公式発表をご確認ください。

結論:PHP で動くホームページは、今すぐ PHP が最新版になっているか確認してください。

  • 対象:WordPress・EC-CUBE・Laravel など、PHP で動いているホームページやシステムのほとんど
  • 危険度:10点満点中 9.2(緊急)。ログインなしで、外からサーバーを操られるおそれがあります。すでに攻撃の試みも観測されています。
  • 対応:PHP を 8.5.12・8.4.27・8.3.36・8.2.35 以降に更新する。レンタルサーバーなら、サーバー会社のお知らせを確認する。

何が起きたのか

そもそも PHP とは

PHP(ピーエイチピー)は、ホームページの裏側で動くプログラムの言語です。お問い合わせフォームの送信、お知らせの更新、ネットショップの注文など、「見るだけ」ではなく「動く」ホームページの多くが PHP で作られています。

世界中のホームページで使われている WordPress も PHP で動いています。そのため、今回の弱点は影響がとても広いと考えられています。

何が危ないのか

今回の弱点は、ひとことで言うと「外から、ログインせずに、サーバー上で好きなプログラムを動かされるおそれがある」というものです(専門用語では「リモートコード実行」と言います)。

たとえるなら、お店の裏口の鍵に欠陥があって、鍵を持っていない人でも、特別なやり方をすれば中に入れてしまう状態です。中に入られると、次のような被害につながるおそれがあります。

しくみ(少しだけ詳しく)PHP は、見に来た人のリクエスト(ページを開く、フォームを送るなど)を1つずつ処理します。今回の弱点は、ある処理が途中で止まったときなどに、使い終わったはずのデータが片付けられずに残り、次のリクエストの処理でそれが悪用されてしまうというものです。攻撃者は、わざと特殊なリクエストを何度も送って、この状態を作り出します。

影響を受けるホームページ

ホームページの作り影響
WordPress で作ったサイト影響あり(PHP で動いているため)
EC-CUBE などのネットショップ、Laravel などで作った予約・会員システム影響あり
レンタルサーバーで PHP のプログラム(フォームなど)を動かしているサイト影響あり(サーバー会社の対応を確認)
HTML だけで作ったサイト、PHP を使わない仕組み(静的サイトなど)影響なし

PHP をサーバーで動かす方法(PHP-FPM、Apache の mod_php、php-cgi、FrankenPHP、LiteSpeed など)の、ほぼすべてが対象です。中でも Apache の mod_php は、特に危険性が高いとされています。

注意PHP 8.1 以前の古い版は、すでに公式のサポートが終わっています。今回は例外的に最小限の修正が出されていますが、サーバー会社や配布元が修正版を用意しているかは、それぞれ確認が必要です。古い版を使い続けるのは危険なので、サポート中の版への移行を強くおすすめします。

なお、このサイト(yk-planning.jp)は PHP を使わない仕組みで作っているため、今回の脆弱性の影響はありません。

今すぐ確認・対応すること

レンタルサーバーを使っている場合

  1. ご利用のサーバー会社(さくらのレンタルサーバ、エックスサーバー、ConoHa WING など)のお知らせ・メンテナンス情報を確認します。多くの会社が、すでに PHP の更新や対策を行っています。
  2. サーバーの管理画面で、PHP のバージョンを確認します。古い版(PHP 8.1 以前など)を選んでいる場合は、サポート中の版に切り替えます。
  3. 切り替えたあと、ホームページやお問い合わせフォームが正しく動くか確認します。
POINTWordPress のプラグインや古いテーマは、新しい PHP で動かないことがあります。切り替える前にバックアップを取っておくと安心です。不安な場合は、制作会社に相談しましょう。

自社でサーバーを管理している場合

  1. PHP を、使っている系列ごとの修正版に更新します。
使っている版この版以降に更新
PHP 8.5 系8.5.12
PHP 8.4 系8.4.27
PHP 8.3 系8.3.36
PHP 8.2 系8.2.35
PHP 8.1 以前サポート終了。配布元の修正版を確認するか、サポート中の版へ移行
  1. Linux のパッケージ(apt や dnf など)で入れている場合は、配布元(Ubuntu・Debian・Red Hat など)の修正版の提供状況を確認して更新します。
  2. 更新後、PHP-FPM や Apache を再起動して、新しい版で動いていることを確認します。
  3. 攻撃されていないか、アクセスログやサーバー上の見慣れないファイル、勝手に作られた管理者アカウントがないかを確認します。

すぐに更新できない場合

PHP の開発チームは、更新までの一時的な対策として、次のような設定を案内しています(サーバーの管理者向けの内容です)。

注意これらは、知られている攻撃の一部を防ぐだけで、完全な対策ではありません。WAF(不正な通信を止める仕組み)も、危険を減らせるだけで、更新の代わりにはなりません。できるだけ早く修正版に更新してください。

10月23日に追加で告知された脆弱性(CVE-2026-115560)

セッション(ログイン状態などを覚えておく機能)の、アップロードの進み具合を記録する部分の脆弱性です。次の3つの条件がすべてそろう場合だけ影響があります。

一般的な WordPress のサイトで、この組み合わせになっていることは多くありません。対策は、次の修正版が出るまで session.upload_progress.enabled = 0 にすることです。上の一時的な対策ですでに設定していれば、追加の対応は不要です。

よくある質問

WordPress 本体を最新にすれば大丈夫ですか?

いいえ。今回の弱点は WordPress ではなく、その土台の PHP にあります。WordPress を最新にしても、PHP が古いままだと危険は残ります。両方を最新にしておきましょう。

何もおかしなところがなければ、対応しなくてもよいですか?

いいえ。乗っ取られても、見た目では気づけないことがよくあります。被害が出る前に更新することが大切です。

自分のサイトが PHP を使っているかわかりません

WordPress で作ったサイトや、管理画面からお知らせを更新できるサイトの多くは PHP を使っています。わからない場合は、制作会社やサーバー会社に確認してください。YKプランニングでも、確認や対応のご相談を承ります。

POINTホームページへの攻撃の種類と、ふだんからできる対策は、「Web 攻撃の種類と対策」でまとめています。

出典

「うちのサイトは大丈夫?」から、ご相談ください。

PHP のバージョンの確認や更新、更新後の動作確認まで、わかりやすくお手伝いします。